珈琲コラム
2018.07.13
珈琲鑑定士コラムVol.73~「中米から届くパナマコーヒーについて」
中米から届くパナマコーヒーについて
(2016年10月記事)中米のコーヒー生産国の中に、パナマ共和国と言う国があります。
パナマ運河で有名なこの国ですが、最近は、パナマ文書が公表され、
世界中の大企業・大資本家の租税回避地としての一面が世界的にクローズアップされ有名になっています。
地理的にコスタリカ、コロンビアを隣国に持ち、コーヒーの生産に適した気象条件と言えます。
パナマ市は標高0mの都市ですが、西部のチキリ県はコスタリカと接し、
標高1.300m~1.650mと標高が高いことから寒暖差が大きく、コーヒー栽培に適した気象条件となっています。
中でもボケテ市はパナマで最高峰の活火山であるバル山(標高3.475m)があり、
肥沃な土壌で年間気温も10℃~27℃であり、雨季と乾季がはっきりと分かれていることから
病害虫の発生が殆どないこともコーヒー栽培に適した条件となっています。
パナマコーヒーの最高品質豆はボケテ周辺で栽培されたものになります。
ボケテを訪問して感じたことは、農園主がコーヒー栽培に対しての知識が豊富で
栽培品種も在来種を中心に栽培することでコーヒー豆の品質向上に力を入れています。
収穫も丁寧に行われており、農園の品質管理もしっかりとして-いる所が多く、
土壌の良さと気象条件に恵まれていることが、コーヒー栽培に恵まれた環境となり、
近年のスペシャルティコーヒーの生産地として知られるようになっている事も頷けます。
パナマ・ボケテ産コーヒーの風味は、酸味が弱く、香りとコクが豊かで後味がすっきりとした味わいとなっており、
他の中米産地との違いとしてはっきりしている事は、酸味が極めて少ないことが特徴と言えます。
ブラジル公認コーヒー鑑定士 井口周一
October, 2016
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