様々な国で大事に栽培されたコーヒー豆をおいしく飲もうコラム♪
今回は抽出器具、ドリッパーについてです!
【ドリップ1つ穴と3つ穴】
ハンドドリップをされる方、コーヒーメーカーで淹れる方、どちらもペーパーフィルターを使用する事が多いと思いますが、フィルターをセットするドリッパーの穴が1つの物と3つの物がある事を意識される方は少ないと思います。
コーヒーメーカーは通常1つ穴が多く、ハンドドリップ式はメーカーによって穴の数が違います。
日本のメーカーであるカリタ社は3つ穴、ドイツのメリタ社は1つ穴を採用しています。
違いは抽出時間の違いが発生して来る点です。
1つ穴は時間がかかり、3つ穴は抽出時間が短くなります。
コーヒーに対する意識の違いが穴の数に影響したものと言えます。
ドイツではコーヒー1杯分の容量8gを基準としコーヒーの挽き具合も日本よりも細挽にしています。
これは、少ないコーヒーで濃く抽出できるようにとの考えでコストを意識したものと推測されます。
只、細く挽くことにより雑味・渋味・苦味が強くでる事から日本人にはあまり馴染まず、日本のカリタ社は3つ穴にすることで抽出時間を短くし味の問題を解消することで日本では3つ穴が普及する事になりました。
カリタでは1杯分の容量10gを基準としています。
これによりやや粗めに挽く事でコーヒー成分を十分に抽出しながら渋味・苦味を抑えることが出来ました。
抽出時間も最適な3分抽出がしやすくなっています。
近年、ガラスメーカーであるハリオ社から円錐型のドリッパーとフィルターが発売され人気を得ています。
これは今までの扇方のフィルターから円錐方フィルターにすることで抽出効果がより高くなった点があげられます。
穴は、1つ穴で大きくなっています。
カリタ社の3つ穴の問題点は、同時に3か所の穴からコーヒーが落ちてくる事が少ない点があげられていました。
これは、コーヒー粉にお湯が満遍なく当たっていない事を意味しています。
お湯の注ぎ方によって影響を受けやすい為です。
これを解消したのがハリオ社の円錐方ドリッパーと言えます。
抽出も早く、お湯が均等にドリッパーの中を流れ、中心部からコーヒーが落ちていくこの構造は、抽出効果を最大限に高めながら慣れていない人でも一定に淹れられる特徴がありハンドドリップをされる方に人気を得ている理由です。
私自身、ハリオ社の円錐フィルターを使い始め抽出のしやすさと風味の向上を実感しています。
ブラジルコーヒー鑑定士 井口周一
April, 2012
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